エイリアン・コヴェナントと「カーストシャッフル」
エイリアンコヴェナントを観てきました。
ここ10年で最高にアレな映画でした。
というのも、私が事前に手に入れていた評価と寸分違わぬ出来だったから。
監督はかのリドスコこと、リドリースコットその人。
男の子のSF的ツボを刺激することに関して、ある意味では彼の右に出る者はいまのところ思い当たらない(マイケル・ベイ監督とかか?)
彼は患者を使って秘孔を突く練習をする。
間違えられた患者は、まず間違いなく死ぬ。
今回の映画は、まさにそんなハリウッドのアミバ様が秘孔を突きまくって完成させた映画と言っても過言ではないだろう。
積極的ネタバレの時間だ〜!
簡単にこの映画の紹介をしてみよう。
(ストーリーはウィキでも見てくださいな)
前作「プロメテウス」の正当な続編であり、後の「エイリアン1」に続く位置付けとなっているこの作品。
宇宙を旅する植民船「コヴェナント」は目的地の手前で怪電波をキャッチ。
副長が反対する中、「なんか良さそう」という船長の独断だけでその星に進路変更。
そこはプロメテウスのラストで、半ば自暴自棄になった博士と半壊のアンドロイドが目指した星。プロメテウスに出てきたあの異星人の文明が栄える母星なのであった。
その母星を博士とアンドロイドが目指したのは、単なる「仕返し」が目的だったはずです(確か……)。
星に到着する前に、自我を獲得したアンドロイドに博士は殺されてしまいましたが、アンドロイドは目的を果たす。
「仕返し」
エイリアンを創造した彼ら異星人の星に、「エイリアンの素」ともいうべきウィルス満載のアンプルをばらまいたのだ。
そう、コヴェナント船が進路変更してまで目指した星は、すでにエイリアンの巣窟になっている星だったのだ!(驚愕)
もちろんコヴェナント船にもアンドロイドがいる。
目的地到着まで、人間のクルーは全員コールドスリープしているからだ。
何かあったときだけ、人間は強制的に覚醒させられる。
寿命はどうやら「無い」らしい。
(コヴェナント船においては、もうアンドロイドの方が人間のクルーより重要で必要不可欠なのは分かりますね)
映画の冒頭、船は突然の超新星フレアに晒され、太陽光パネルの一部を破損してしまう。
起こされる人間のクルーたち。
(人間のクルーはまったくと言っていいほど信用されていない。船外活動なんぞ、アンドロイドにやらせておけばよいものを……)
無秩序で無知なクルーばかりだというのは、彼らの身なり、言葉遣いから一目瞭然。
彼らは私たちが思い描いているような「宇宙飛行士」コスモノーツといった英雄などではなく、単なる労働者に過ぎないのだ。
初上陸した地球型惑星で、なんのためらいもヘルメットもマスクも無く、上陸してしまうような人たちなのだ。空気があっても、安全かどうか分かりはしないのに。
(「そりゃエイリアンに食われるわな」という予感がこの時点ですでにビシビシと伝わってきます)
怪電波を目指し、行軍を開始する一行。
何でもっと電波発信源に近いところに降りなかったのか。
エイリアンウィルスは、霧のように空気と混ざり、鼻や耳から人間の体内に侵入。
あとはお馴染みの「腹ドーン」が起こる。
(お腹を食い破っていくエイリアンベビーのことを、ここではそう呼びます)
あとは抱腹絶倒。
愚か者クルーによる、極限の喜劇の開幕です。
最初に腹ドーンを起こした男性を運び込んだ女性クルー。
二人は小型船の医療ルームに閉じ込められる。
「開けてくれ!」
と懇願するも、小型船に残っていたパイロットは開けない。
絶対に開けない。
開けたら死だ(映画的に、どう考えても)。
パイロットは銃を取りに昇降口に走る。
部屋の中の女性クルーは血で滑って転ぶ。(一回目)
そして壁際へ。
部屋には死体と自分とエイリアンベビーしかいないのだ。
彼女はナイフを構える。
だが、ナイフごときではどうにもならないのであった…………。
一方、半ば半狂乱状態になったパイロット(女性)は連絡を終え、再度、様子を見に来ていた。
食われる女性クルー。
扉を開けてしまうパイロット。
銃を乱射するが、銃が当たらない。
血で滑って転ぶ。(二回目)
命からがら部屋から出て扉を締めるが、エイリアンベビーにとって、そんなものは無いも同義だった。
走り、二丁目の銃に向かうパイロット。階段から転げ落ちる。(三回目)
どうにか銃を手にしたパイロットだったが、エイリアンベビーはすぐそこ。
所構わず銃を乱射して、小型船を穴だらけにしてしまう。
結果、リドスコ節炸裂の大爆発。
まるで風雲たけし城の火薬量。
派手であることが一種の様式美であると断言するような、そんな爆発が起こる。
(ここまでで、この映画がどんな結末になるかを物語っている)
ギーガーも真っ青。
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一方、怪電波捜索隊は、プロメテウス号を発見。
中では博士の写真、記録映像などを見つけるが、小型船からSOSが入り、帰ることに。
だが時既に遅し。
小型船の爆発を目の当たりにしてしまう一行。
もう一人の腹ドーンエイリアンに襲われ、銃撃戦になる。
私の見間違いで無ければ、ここでフレンドリーファイヤーがあったように思う。
(スターシップトルーパーズ再び!)
アンドロイドも腕を食われるし、エイリアンに銃は効かないことが分かる。
万事休す。
だがそのとき、まばゆい光が辺りを包む。
謎の人物が助けに来たのだった。
それは、プロメテウス号のアンドロイド、デヴィッドだった。
半壊状態だった彼は博士によって再生されていた。
デヴィッドに導かれるまま、クルーはある場所に誘導される。
デヴィッドがひっそりと暮らしている場所。神殿。
そこは何か、古代の儀式が執り行われたかのような広場。
だが広場には、生きたまま焼かれたかのような、黒焦げの死体が何千何万と手つかずのまま放置されていた。
端的に言うと、神殿の中で彼はエイリアンの研究を続けていた。
ここではデヴィッドとコヴェナントのアンドロイドの交流が描かれますが、ホモホモし過ぎているため割愛。
自我と創造主への憧れ、つまりエイリアンへの愛が描かれる。
案の定、デヴィッドに欺され、クルーはフェイスハガーの餌食になってしまう。
(おお、これぞエイリアン!)
デヴィッドと対決するアンドロイド(名前は忘れた)。
母船から小型船が助けに来るが、やっぱりエイリアンも滑り込み乗車。
船体に装備されたクレーンで握り潰すが、母船に帰ったあとも、容赦は無い。
実はどういう訳か、もう一匹紛れ込んでいた。
(多分、三人目の腹ボーンだと思われる)
少しだけエイリアン2を思わせるような船内描写に嬉しくなったのもつかの間、残る二人のクルーは作戦通り、テラフォーミングベイにエイリアン(成虫)を誘い出すことに成功。
アンドロイドが良い仕事をする。
いとも簡単に月面ビークルみたいな車に閉じ込め、そのまま宇宙空間に放出。
めでたしめでたし。
と思ったのも束の間、コールドスリープカプセルに入ったところ、アンドロイドがデヴィッドだということに気が付く。
顔が同じなので、ぱっと見では気付かなかったのだろう。
左腕も自ら切り落とし、偽装は完璧だった。
そう、時既に遅し。(何回目だこれ)
最後のクルー(主人公)は強制睡眠に入り、デヴィッドは胃に入れていたエイリアンの卵を、人間の胚が眠るキャビネットに仕舞う。
デヴィッドが、新たな種族(エイリアン)の創造主となるために…………。
カーストシャッフル
んで、デヴィッドがプロメテウス号からエイリアンウィルスをばらまくところが、私としてはこの映画の最も美しいシーンだと思ったのですが、 どうでしょう。
トランプ政権が誕生したのも、ある一定層の人々が何かしらの変化を求めてのことだったのではないかと思いますが、その変化とはつまり『混乱』ということになるのではないか、と。
もちろん良い方向へ少しずつ変わっていくことを願っているのは、どこの人も同じでしょう。
しかし大多数が参加する多数決方式で、しかも選択肢は二つ、という状況では変わってくるのではないか。
非常に勿体ないことではありますが、より「面白い方へ」賭ける、という選択をする人もいる。
それも、無視できない数の人が同じ選択を行ったとしたら。
『混乱』よる偶発的な変化。
まるで、宝くじを買うような行為だ。
急に大統領選の話をして申し訳ないですが、まさにそんな民衆(私を含む)の願望を絵に描いたようなシーンが、あのウィルステロのシーンだったわけです。
少なからず、私はあのシーンに映画的快感を感じました。
前作プロメテウスを見ていない人にとっては「なんのこっちゃ」なシーンではありますが、エイリアンを製造した憎き異星人を皆殺しにする。
前作の主人公、博士を苦しめ続けたあの異星人を惑星丸ごと破壊し尽くす。
こんなSF的なネガティブスケール感に満ちた作品はここ10年でパッと思いつかない。
そして、エイリアンの研究を続けていたデヴィッドもまた、異星人と同じ道へ進んでいく。
それは新たな生命の創造主とも言えなくはないのだが、デヴィッド自身もまた非生命体というのも、ちょっとした皮肉があっていいと思います。
(エイリアン1に続いていく、というところも)
ただね、もっともっとグロ描写を詰め込んだアクション映画のエイリアンを私は観たいのよ......……。
また、つまらぬものを買ってしまった。
今日届いたのがこちら。
クリートカバーと、シューズカバー(つま先だけ)。
(右)
DMTシューズを美しいまま使用するため、このカバーをかけたりビニルテープを貼ったり、つま先にスポンジを仕込んだりと、なかなかカッコ悪いことをしております。
(左)
ずっとクリートカバーを買うつもりはなかったんですが、今度イベントに参加することになり、急遽用意しました。
少し走ってはエイドで何か食べるという、ゆるゆるイベントということで、『食べる練習』もしていかなくては。
具体的には10キロ走ったら必ずコンビニに寄る、とか…………?
(本)
溜まってきた、というか先週一気に手に入れてしまった。
「伊藤計劃トリビュート」と「ニルヤの島」は半分まで読んでいて、他の本が追加された形になりますかな。
「ここから先はなにもない」は(ちょっとだけ読んだ感じだけど)、思ったのと違ったような…………。
小川哲さんの「ゲームの王国」が良いとの噂を聞いたので、読んでみたいのだが、まずはSF大賞受賞作から行ってみましょうか。
と思ったら、伊藤計劃トリビュートの中に「ゲームの王国」から抜粋した一部が掲載されてやんの。多分、冒頭部分。
知らずにずっと過ごしていましたわ。
伊坂幸太郎さんは、なんだかんだでほとんど全て読んでいるんですが、私、
SF、好きなんですわ。
いまはまだ実現していないこと、実現しそうなこと、それに伴う問題や障壁、弊害。
途方もない時間や空間のスケールに圧倒され、現実を離れて時間の流れすら忘れる。
この世の全ての人間がSF作家になれば、少しはこの地球も良い方向に向かう気がしているが、私がすごした時間などほんのわずかなものだし、体感することは出来ないけれど、ちょっとは良い世の中になっていっている気がしている。
でもSF作家はミステリ作家と違って一人二人殺すだけでは飽き足らず、民族浄化したりするほどの死人が出そうな思考をしているので、やっぱSF作家視点というのは駄目かもしれませんね。
それにSF作品は、現実と乖離せず、紙一重のところで繋がっていそうな危うさが良いと思うのですが、そんなSFはなかなか無いものです。
とか書いているとピンチョンが読みたくなってきた。
ふざけたスケール感と真面目なユーモアをふんだんに盛り込んだ作品が読みたいです。
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しっかりレビュー「DMT R1」
新シューズ、「DMT R1」
この二日間、こいつを履いて、少し走ってみました。
サイズ感
R1は42サイズを購入した。
かかとは指一本入らないくらい開いていて、つま先は苦しくないと思えるほどの余裕はある状態。
これまではシマノの41サイズを使用していた。
だから正直なところ、41.5というサイズがあれば、そちらの方が自分には合っていたのかもしれない。
ただ、それは夏の場合。
冬であれば、特に足が冷えてくる私にとって条件は大きく変わる。
冬用靴下を二枚重ねで履いたりする。
今回、冬用の厚手の靴下を履いてみたところ、むしろちょうど良かった。
右足の痛みも消える...………。
(痛みについては後述する)
性能について。
どうやら私はペダルを踏みすぎているようで、「足にクル」という経験をした。
走り慣れたコースで二時間ばかし走っただけで、(大げさだが)「お、足がガクガクする」という感覚があった。
(言い訳すると、登り基調の向かい風状態でオモクソ踏んでいたから)
また、これまでシマノ41サイズのシューズを使用していたため、どうしてもその頃の癖が出てしまうことが分かった。
「癖」というより、ペダリングの下手くそな部分が、高剛性シューズによって浮き彫りになった、と言うべきだろうか。
クリートの位置も関係していると思うが、右足だけ足首が動く。
「カックン」している、と言ったら分かるだろうか。
アンクリングはしていないはずだが、下死点で一瞬力が逃げる瞬間がたまにある。
それがとても悔しかった。
痛みについて。
これはもう試着しないで購入した私のミスでしょう。
ちょっと大きめなシューズが欲しかったので、試し履きしていても42サイズを選んでいた可能性はあります。
が、右足のくるぶしに接触して痛い、というのは履いていれば予め分かったことです。
痛みの対策。
痛みはありますが、まったく使えないシューズという訳ではありません。
固い靴底はロスのないペダリングを要求してきますし、防寒の面を考えれば冬用シューズとしてその役目を全うしてくれることでしょう。
見た目もいいし。
で、本日100キロほど走ってきたのですが、途中で「つま先に何か入れておけば痛みが和らぐかもしれない」と思いつき、持っていたデオドラントシート(濡れティッシュ・コンビニでも貰えるやつ)を折りたたんで挿入しました。
というのも、サイズが大きく「甲高な私の足」という条件から、足が常にシューズの後側に固定されていれば痛くない、というのが分かったからです。
正確には親指の上に詰め物がくるようにセットし、足が靴底から浮き上がらないようにしました。
先日、インナーソールを二枚使用したところ、余計に痛みが増したということから思いつきました。
残念ですが靴がでかいんです。
同時購入した「RS1」はそのままでもいけそうなんですが…………。
幸いにも今月の三太郎の日はダイソーで何か貰えるらしいので、つま先に入れるクッションでも漁りに行ってこようかなと思います。
で、肝心なのはここから。
ロードバイクシューズとしてどうなのか、というところ。
しっかりレビュー。
見た目は格好いい。
ボアクロージャーが二個で、足の甲部分をしっかりホールド。
つま先はきつめかと思いきや、日本人にも優しい余裕が持たせてある。
底のカーボンはとにかく固くすることを念頭に置いたような、ある種の潔さ。
完全にプロ向き。
完成されたペダリングをもってして、さらに120%以上の出力に対応すべく、堅牢に作られている。
長距離を高速で駆け抜けるための靴であり、快適性などといった言葉は介入する余地はない。
そのため、要求される技術は高い。
これを履きこなせる者は、生活のすべてを捧げなければならないだろう。
喩えるなら、世界中で活躍する一流のファッションモデル。
30センチのハイヒールを易々と履きこなす、その姿は美しい。
ハイエンドとは、常に人々の憧れでなければならないのだ。
ただ速く、そして美しく。または誰よりも速く、そして一部のロスもなく。
そのためなら生活のすべてを捧げる。
それが出来なくなったとき、モデルとしての人生が終わるように、私がこのシューズを履く資格も永遠に失ってしまうだろう。
だが、私がこのシューズを履きこなせるようになるのは、近未来と呼ばれるほど先になってしまうかもしれない。
後悔はない。
TIMEの自転車を手に入れるまでには、それに相応しい身体になっていないといけないのだから。
(なんちゃって)
貧乏人らしく靴の保護活動をば…………
左足のクリートがよく減る。
普通に履くとこうなってしまう。
DMTはつま先に保護ゴムや緩衝材の役割をする何かがないので、
ビニテを張っておきました。
つま先の底が削られるのが嫌なので、つま先だけ二重三重にしてあります。
下は痛み対策。
つま先にスポンジを切ったものを詰めてみました。
50%ほどは痛みが軽減しました。
本気で踏もうとすると骨が出て、 この摘まんだところと干渉するのでチョット痛い。
格好いいを保つのは結構、大変かも。
足が剛性に押し負けたときや、頭痛のするとき、仕事で疲れたときは、
このアミノバイタルを使用します。
私にとっての「ポーション」または「やくそう」くらいの効果はあります。
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月村了衛「機龍警察」読了
文庫を手に入れてから数ヶ月。
積んだままになっていたが、押井守「ジャイアントキリング」を読み終えたので、ようやく読み始めた「機龍警察」。
一気読みだった。
あらすじは避けるが、「スプリガン」の主人公が「攻殻機動隊」荒巻課長の元、「機龍」と呼ばれる最新式アームスーツに乗って事件解決する、という感じのお話。
要は近未来アームスーツSFですな。
法改正で警察が傭兵を雇うことが可能になった未来。
雇われた三人が、それぞれワンオフの機体に乗る。
登場人物全てが主人公といっても良い。
そういう書き方をされている。
警察の特殊な課であるということで、パトレイバーを思い浮かべるが、あそこまでのんびりしてはいない。
どちらかと言えば、全編通じて「劇場版パト2」の、重苦しいあの緊張感が漂っている。
展開は少年漫画のテンプレが多い気もするが、警察内部の軋轢、機龍搭乗員の過去、人間関係なども絡んで物語はテンポよく進むので中だるみしない。
設定はスプリガン、パトレイバー、攻殻機動隊、エヴァンゲリオン、メタルギアなどの媒体を目にしてきた世代なら、すぐにピンとくるものばかり。
それに加えて、アクション映画、スパイ映画のエッセンスを振りかけた感じ。
特に最近では、主人公(あるいは主人公チーム)が序盤でラスボスと面会する、という法則をよく目にするなぁ、ということ。
最近見た中では、邦画「ゴールデンスランバー」や「逆襲のシャア」、「攻殻機動隊SAC2」もそんな感じでした。
とにかくこの「機龍警察」シリーズはまだまだ続くので、順を追って読んでいきたい。
久しぶりに「読める」作家さんに出会えて、私は嬉しい。
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DMTロードシューズのレビュー「RS1」と「R1」・・・写真多め。
おや?
なにか届いたようですぞ。
さっそく、開封。
new shoes!!!
「DMT R1」でございます。
DMTの鮮やかなロゴのシューズバッグと、
Lookのクリート位置記憶システム(名称不明)に対応するネジも付いてます。
シマノの三つ穴に囲まれたネジ穴、これがLOOK用ですね。
交換可能なかかと。
カーボン製のソール。
固いです。
そして艶やかで、エロい。
インナーソールはぺらぺら。
使用していると、すぐになくなりそうです……。
袋縫い、と言うらしいです。
つま先の方。
かかとは、シリコンのツブツブが付いていますが、
それほどホールド力があるわけではありません。
内側だけに、面ファスナーが付いています。
履いた感じ。
緩め全開。
ちゃんと履いた感じ。
ボアクロージャーというものを回して締めます。
なんていうか、
『手で包まれたような優しい感覚』というのが第一印象。
内側が黒いのは、汚れることを想定して、なのかな?
クリートを装着して、ローラー台に5分ほど乗ってみた感想は、
右の足の甲が痛い。
特に左半分の黒くなっている部分が足に当たっているみたい。
試しに別の靴のインナーソールを挿入してみたが、痛みは変わらず。
多分、あとは慣れなんじゃないかと思います。
厚めの靴下でなんとかごまかせないか…………
でも、まあ、2万円もしたんだし、大事に使おうと思います…………。
ちなみに、
ちゃんとレビューすると、「靴底がくっそ固いのでペダルが足の裏、全体に広がった感じ」になります。
巡航も、少しは速くなるんじゃないかと期待しています。
その分、足が尽きるのも速くなりそうですが、道具は慣れが肝心なので、足も次第に靴に追いついて強化される事でしょう。
ついでに買ったnewヘルメット他。
いやー、良いシューズはやっぱ格好いいな〜。
そうだ!
ついでに重量を測ってみよ〜!
古いシューズとあまり重量は変わらんが、newシューズは気持ちいい!
(クリート付きです)
41サイズ。お疲れ様でした。
錆びて、削れて。
色々なところへ行ったよね。
6年ぐらいお付き合いしましたか。
これからもローラー代用としてよろしく。
・・・・・・・・・・・・。
ん?
また何か届いたようだぞ…………
ぐわー!
間違えて注文してしまった「RS1」じゃないかー!
ぐ、ぐわー! ソールがテカってエロいことこの上ない「RS1」じゃないかー!
(二回目)
ワイヤーが足を包むように走っていて、フィット感半端ない「RS1」じゃないかー!
(三回目)
シルバー……
どこから、どうみても……
エロいエロいエロい…………
もうクリートがないのでローラー台には乗れませんが、
「R1」とは完全に別物です。
試し履きしただけですが、量産品とハンドメイドの特注品ほどの差を感じます。
(そんな良い靴は履いたことありませんが、上質感は伝わってくるのです)
足も痛くない。
買うならこれ。
絶対オススメ。
私はもうコンポ載せ替えとか考えられないくらい体力(財布)が削られて、嫁にも頭が上がらない状態なので、この「RS1」をガシガシ履くのは何年か先になりそうです。
ええ、右足だけ試し履きしてそっと押し入れの奥に隠しましたさ。
と、いうのもですね、、、
擦られてしまって、犯人は当て逃げで見つからず。
追加で三万円ほど飛んでゆくのでした…………。
車で3万円。「RS1」で3万円。
計6万円が、想定外の支出として我が家の財布事情を逼迫させております。
デュラエースどころではなくなってしまった…………。
WIGGLEでの買い物で、案の定やらかした話。
お久しぶりでございます。
今月はほとんどお休みがなく、しかも台風ということで、走りに行くことが出来ません。
んで、ずっと考えていたネリッシモの11速化なんですが、資金の関係でまだ次期コンポーネントを決めきれないでいます。
電動か、ワイヤーか。
デュラか、アルテグラか。
もしくはスラム化して軽量バイクを目指すのか。
105(5700)、お前は駄目だ。
10速が悪いとか、105が駄目だとか言う気はありません。
よいコンポだと思いますし、サイクリングやトレーニングには何ら問題ありません。
なんなら、海外通販で3万円ほどでフルセット(5800)が手に入ってしまう。
こんなお手軽な11速化はありません。
だが5700、お前は別だ。
いま6800のアルテグラを使っていて、それと比べて、駆動系のロスが大きすぎる気がするのです。
それは分かったから、次期コンポどうする?
ロスが大きいと言うことは、気持ちよくないということ。
そしてなにより105の重量に問題がある。
堅牢なのはいいことだが...………。
以下はSTIレバー、フロントディレイラー、リアディレイラーの重量を足したもの。
105 約809グラム
アルテ 約730グラム (30000くらい)
デュラ 約593グラム (70000くらい)
アルテDi2 約677グラム (85000くらい?)
デュラDi2 約538グラム (???????)
SRAM e-tap 約686グラム (140000くらい)
SRAM RED 約508グラム(70000くらい)
SRAM フォース 約573グラム(55000くらい)
右の括弧は最安のお値段(私調べ)。
もちろん、スプロケ、チェーン、ペダルを同グレードで揃えた場合はデュラDI2が最軽量となります。
ただし、アルテDI2とデュラDI2には、バッテリーやジャンクションを積むため、+100グラムほどされます。
その点、e-tapはバッテリー込みの重量のため、優秀です。
本当は、DI2対応フレームだからDI2にしてみよっかなー、程度の考えでスタートしたコンポ載せ替え計画。
しかしDI2が意外と高くて重い、という現実を目にして、
「じゃあ、あこがれの紐デュラとアルテDI2と、どっちに乗りたいんだい?」
という悪魔の声が聞こえた訳です。
やっぱデュラでしょ。
という結論に至ったのですが、いきなり7万もの出費は怖くて(嫁が)、出来ないわけであります。
なので、毎月一個づつ買いそろえていけば怒りもダメージも少なかろうと考えた次第。
肝心のやらかした話。
で、突然だがもうシューズが限界を迎えていたわけです。
シマノの安い奴。
5年ほど使っていて、まだ使うつもりなのですが、残念ながらサイズが合ってない。
サイズは41。
例のオルベアを購入したショップで買ったのだが、冬用の靴下を履くとちと厳しい。
素足で履いてもギチギチ。
底も、もっとガチガチに固いシューズを試したいと考えていたところ、wiggleにてよさげなものを発見してしまうのであった…………。
これこれ。
これの白がいい。
価格は20000ほど。
どうせなら最上級シューズがいいと思った。
サイズはワンサイズ上げて42で注文。
したところ、在庫切れのメールが届いた。
ので、すぐさま別のシューズをポチリ。
昨日、雑誌で見たやつだ。
最新モデルで、ハイエンドモデル。
色はやっぱり白。
価格は30000。
って、
高杉だろ。
でもね〜。
運命感じちゃった訳です。
このDMT RS1の存在は雑誌を読むまで知らなかった訳ですし、wiggleのサイトを見ていても、多分気付いていなかった。
というか、価格で視野に入っていなかった。
だけどね〜、せっかくならハイエンドを、というスローガンが私の頭をかち割った訳です。
そしたらね、こんなメールが届いたわけですよ。
『発送の準備が整いました。』
『発送の準備が整いました。』
まじか、と思った。
未だに私は、まだちょっとドキドキしているのだが、上記の二つのシューズが届けられることになったらしいということが信じられないでいる。
もちろん、慌ててキャンセルを試みたが、もはや発送準備が完了しているらしく、無理だった。
あとは、到着後の返品、という手段しか残されていないが…………。
到着し、値段を聞かれたときが、私の人生の最期かもしれないとさえ思う。
二足も買っちまった…………
どうせなら他のメーカーも試したかった……
っていうか、ほぼ紐デュラに出来るくらいの値段だし…………
んー、でもまぁ、いっか。
向こう10年はこれで戦えるだろうし。
履き比べのインプレッションも出来るし。
11速化、あこがれのデュラエースは遠のいたけども、また働いてお金で解決すればいいだけなんだし…………。
ああ...…これが買えたなぁ……。
あぁ…これもカッコエエ…………。
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足に合わなかったらどうしよう(涙)。
気まぐれ映画レビュー「ダンケルク」を観てきた。
今回、キャスト、音楽には特に触れないでおこうと思う。
良い悪いではなく、私が詳しくないうえに、特に調べてもいないからだ。
だから純粋な「映画」として評価してみたいと思う。
まず、これを観ようと思ったきっかけは、小島秀夫監督のツイートだった。
ツイートというか、多分、文春に寄稿した記事だったと思う。
チャップリンに代表される無声映画を例に取り、圧倒的台詞の少なさ、逃げるだけ、という物語のシンプルさ故の筋立ての強固さ、などについて触れていたと思う。
自身の代表作、ゲーム「メタルギアソリッド」は映画「大脱走」に着想を得た、戦闘を避けるゲームだった。
それは当時のゲーム機の性能では小島監督が本当にやりたい表現が叶わない、という制約の中から生まれたものだ。
まさに逆転の発想。実に現実的だ。
実際の戦闘で、好きこのんで一つしか無い命を危険にさらしてまで快感を得ようという輩はいないはずだ。それはよくあるアクション映画の中での話だ。
彼らは死なない。
それは主人公だからか、はたまた観客が求めているからか、それは作品のもつ性質にもよるが、奇をてらったミステリーでもない限り、主人公は死なない。
死なないと分かっていても、観客は手に汗握ってしまう。
そして、その危険というストレスから解放された瞬間が、映画の山場を迎え、観る者はカタルシスを得るのである。
この映画、中身についてどうこう言うのはよしておく。
そういう性質の映画であるし、観た者同士ならいくらでも語り合えそうだ。
それは実際のお友達とやればいいし、ここではまず、ダンケルクの表層から眺めたい。
レビュー
(ほんのりネタバレするつもりで、ガッツリ気付く人もいるかも。でもできればコレを読んで劇場に足を運んでくれたらこれ幸い)
前置きはさておき。
これは逃亡の映画である。「いわゆる逃げるが勝ち」というやつだ。
フランスとイギリス連合軍はドイツ軍にやられ、劣勢の中、ダンケルクの海岸から四十万人からの兵士を逃がさなければ次はない。
陸はドイツ軍に囲まれ、海もUボートの息遣いを感じる。
だが逃げるには海しか可能性がない。
なぜなら、このドーバー海峡さえ渡れれば、祖国イギリスの地なのだ。
そこでイギリス海軍は民間の漁船を徴用する。
ダンケルクへ。
兵士を救出するために。
小舟さえあれば、兵を駆逐艦まで運ぶことが出来る。
街を抜け、一人のイギリス兵士が海岸へたどり着く。
そこで目にしたのは大勢の兵士が列をなして、船への乗船を待っている光景だった。
だが敵は待ってくれない。
戦闘機が上空から爆音を響かせ降下してくる音に、皆が目を向ける。
行列を作っている場合ではない。逃げなければ死ぬ。
でも、どこに?
「空軍はなにしてやがるんだ」
容赦ない爆撃のあと、一人の兵士が叫んだ…………。
イギリス空軍所属「スピットファイア」三機が飛んでいる。
進路上に敵機を見つけては戦闘に入る。
爆撃機がいれば撃墜し、一機、また一機と仲間の数が減っていく。
三機が目指していたのはダンケルク。
そこには疲れ果てた兵士がただ、死ぬのを待っている。
『自分だけは生きて祖国へ帰れる』という奇跡を信じて……
まず、始めに字幕が出るが、
『海岸/一週間』『船/三日』『空/三時間』というのがあった。
数字や文字は正確ではないと思うので、それは劇場で確かめて欲しいが、とにかく、この作品は三つの視点で語られる事になる。
それも、時間軸がずれた状態で、だ。
だから戦闘機が敵機を打ち落とす場面を、今度は洋上で、下からの視点で見ることになる。
まことにノーランらしい手法とでも言おうか。
(『メメント』以来......でもないか。『インターステラー』でも、時間の概念は出てきた訳だしね)
観客は先が分かる。
だけど、分からないよう撮ってある、と言ったらいいのか。
助かった、と安堵させておいて、実は結構なピンチだった、なんていう場面がいくつも出てくる。
一寸先は闇、状態。
それが戦争だからか、それが人間というものなのか、それが人生そのものの不条理性なんだよ、と言われている気がしなくもない。
並の戦争映画とちゃいますわ。これ。
もうね、弾を撃つという行為一つとっても色々考えてしまうわけです。
弾切れしたら死。
外したら死。
突然横から撃たれて死。
不時着しても助かると決まっていない。
空だけじゃありまへん。
海でもそうだす。
なにか一つ間違えば死ぬ。
一見、間違った行為だとしても、一秒後にはどうなっているか分からない。
むしろ、そのせいで助かっているかもしれない。
そんな場面を繰り返し見せられる映画だ。
で、そんな戦争、なんでやってるわけ?
馬鹿じゃないの?
という気にだんだんなってきます。
こんなに空は美しく、海は雄大で、人の力なんてちっぽけなモノなのに、殺し合い、海を大地を空を汚して、いまはそこから必死になって逃げようとしている。
だれも嬉々として戦争している者なんていない。
台詞は少ないが、充分わかる。
台詞で言う必要がないのだ。
戦争から逃げる。祖国へ帰る。生き残る。
ただそれだけの映画だ。
で、どうする?
生きるのだ。
だからこれは敗北ではない。逃げるのは敗北ではないのだ。
あとは観客がどう生きるか、その後を選択するだけだ。
たとえここが、一寸先が闇の世界だったとしても。