秋の風感じる棚田ライド(死亡フラグ)
お盆も過ぎて、気温も一、二度ではありますが落ちてきたということで、久しぶりに遠出してみました。
目的地は恵那市の坂折棚田という場所。
途中、私の癒やしスポットである「杉原千畝記念館」を通過して、少し登ると岐阜の新スポット「しんたびそくばし」でのバンジーがあります。
写真は撮らずに通過してしまったのですが、ちょうど外国人グループが飛び降りるところでした。
(私には無理かな……)
その後、追い風の影響もあり、楽に休憩所まで到着。
……この時点では、今日はわりと涼しいなくらいにしか思っていませんでした。
おばちゃんたちの会話を聞きながら五平餅で補給。
1本160円。
爪楊枝が刺さっているのがメロンの漬け物。かぼちゃかと思ったけど美味しい。
そして、食べていると続々と注文が入る。20本くらいの持ち帰りもあって忙しそう。
水を補給したら山の直売所から北上。
少し登る。
去年来たときは「火の用心」看板から左折して、山岳一周コースになった。
今回は右折する。
「353」と「402」の丁字路に「火の用心」看板がある。
「402」を右折して下っていくと、「412」との交差点に来る。
ここを左折。
しかし、凄い下りだ。ブレーキパッドが死ぬ。
斜度が凄いので、帰りは登りたくないなぁ、などと考えていた。
ずっと下ると目的地、坂折棚田に到着。
この時点で気温は29度ほど。
正直涼しい。
体力はまだまだ残っていたので、サイクリング続行。
前から気になっていたタコ焼き屋さんへ向かう。そのまま「402」から「68」を南へ。
「恵那白川かえで街道」というらしい。
ひたすらに下りだ。川に沿って走って行き、木曽川にぶつかったところで休憩。
10個入り500円。
1個50円で、好きな数でオーダーできそうだ。かなり美味しい。
お店の人もフレンドリーで優しい。
本当は「かわいや」で鯛焼きにしようかと思っていたけど、ここで正解だった。
「かわいや」はお休みだったのだ……
(かわいやの裏手にある「庭文庫」さんにも、今度ゆっくり訪れたい……)
この時点での獲得標高890メートルほど。
ここが今回の折り返し地点。
地獄の始まりでもあった。
どれくらい登るんだろうか、とサイコンを獲得標高表示にして再出発。
満タンの胃の中で、たこ焼きたちが暴れ出す。
もっと休憩すべきだった、と後悔しつつも「ゆっくり登るうちに消化するでしょ」と考える自分。
おかしい。
10分走っただけで、標高が100メートル増える。
「速度的に考えて、直売所に戻るまでに1時間くらいかかりそうだぞ……」
しかし斜度は大したことない。6〜10%くらいだろうか。
「素直にタコ焼き屋までの道をトンボ返りすべきだったか」
と何度も後悔するが、棚田から先のえげつない斜度を登る気にはなれない。
30分経っても登りは終わらない。
おまけに後ろからの車が結構くる。2分に一台くらい。
もうやだと思い始めた頃、満腹たこ焼き感が治まった。
だが油断は禁物だ。なにせここは初めての道。
どこまでが登りか分からない。
山の直売所までは省エネで行こうと、インナーでクルクル回す。
たまに下りがあるにもかかわらず、
錆びたトンボのオブジェを過ぎる頃には獲得票高は500メートルを超えていた。
「恵那八百津線」
どうやら自分が走っていた道の名前らしい。
終盤にくらった長い長い下りで、とうとうブレーキシューが悲鳴に似た金切り声を出し始めた。マビックのイクザリットリムなので減りが早いせいもある。
こんな音がしたのは初めてだ。
「帰ったら掃除して要調整だな」
しかし悲鳴をあげたのは自転車だけではなかった。
下りでも体温が落ちないのだ。
ボトルの水もとうに無くなった。いつからか頭痛が続く。
時刻は13時を回っていた。
そのとき、集会所に設置された蛇口が見えた。トイレの手洗い用だろうか。
珍しく自転車を止めて、蛇口に飛びついた。が、水は出ない。
まあ当然かと思い、持参した梅干しを口に含み、スマホをチェック。
妻から心配する旨のLINEが届いていた。
「まだ大丈夫……」
と返信してまた登る。
すると1つカーブを曲がったところに自販機が見えた。
「まさか、なんでこんな所に?」
ありえないと思った。人も交通量も少ない(ほぼ無いと言っても過言では無い)こんなところに自販機なんて、渡りに船じゃないか。
「助かった」
当面はこれで凌げる。おまけにゴミ箱まで設置されている。
「気温は何度か分からないが、かなり暑いはずだから、自然には体温は下がらない」
と腹をくくって、水を頭からかけながら行くことに。
やがて着いたのは「402」と「412」がぶつかる、あの交差点。
棚田に行くときは左折したところに戻ってきた。
直接、直売所に出ると思っていただけに、ガッカリ。
山の直売所まで行くには、もう少しだけ登るやないかい!
憤慨しつつ、抑えながら登る。
脚はまだまだ大丈夫なのだが、出力を上げると体温が上がり、その後は考えたくない事態に陥るのでスピードを出さず、心拍数を抑えながら行く。
直売所に着いてしまえばあとはずっと下り。
バンジーを観戦したかったが、歩道に入れなかったため通過。
知っている道に戻り、休憩も入れていたが、それでも30分に1本ボトルが無くなる。
正確には覚えていないが、走行距離120キロ、獲得標高1700メートルほどにとどまった。
暑さだけが、今回の敵だった。
(よっぽどしんどかったのか、両腕に蕁麻疹が出た……こんなの初めてよ……)