月村了衛「機龍警察」読了
文庫を手に入れてから数ヶ月。
積んだままになっていたが、押井守「ジャイアントキリング」を読み終えたので、ようやく読み始めた「機龍警察」。
一気読みだった。
あらすじは避けるが、「スプリガン」の主人公が「攻殻機動隊」荒巻課長の元、「機龍」と呼ばれる最新式アームスーツに乗って事件解決する、という感じのお話。
要は近未来アームスーツSFですな。
法改正で警察が傭兵を雇うことが可能になった未来。
雇われた三人が、それぞれワンオフの機体に乗る。
登場人物全てが主人公といっても良い。
そういう書き方をされている。
警察の特殊な課であるということで、パトレイバーを思い浮かべるが、あそこまでのんびりしてはいない。
どちらかと言えば、全編通じて「劇場版パト2」の、重苦しいあの緊張感が漂っている。
展開は少年漫画のテンプレが多い気もするが、警察内部の軋轢、機龍搭乗員の過去、人間関係なども絡んで物語はテンポよく進むので中だるみしない。
設定はスプリガン、パトレイバー、攻殻機動隊、エヴァンゲリオン、メタルギアなどの媒体を目にしてきた世代なら、すぐにピンとくるものばかり。
それに加えて、アクション映画、スパイ映画のエッセンスを振りかけた感じ。
特に最近では、主人公(あるいは主人公チーム)が序盤でラスボスと面会する、という法則をよく目にするなぁ、ということ。
最近見た中では、邦画「ゴールデンスランバー」や「逆襲のシャア」、「攻殻機動隊SAC2」もそんな感じでした。
とにかくこの「機龍警察」シリーズはまだまだ続くので、順を追って読んでいきたい。
久しぶりに「読める」作家さんに出会えて、私は嬉しい。
- 作者: 月村了衛
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2017/05/15
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る