防犯登録というハードル

自転車の防犯登録をしてきました。

 

始めはお手軽に済ませられるだろうと思い、チェーン展開している自転車屋さんに持ち込んだんですが、

 

「購入証明書があれば、出来ますよ」

 

とのことだったので、早々に退散。

 

いや、ないっすよそんなもん。

ネットで買ったんですもの。

領収書(納品書?)くらいはあったかもしれないですが…………いや、探したけど無かったもんなぁ……。

 

ない。

 

ということで、察署に直接、持ち込んでみました。

 

警察署で防犯登録するのは、実はこれが二回目。

 

5年ほど前にアマゾンで、安い折りたたみ自転車を買ったとき以来です。

 

そのときはやたら小さくて可愛い私服の婦警さんが対応してくれました。

まだ独身だった私は、思わず連絡先を聞きそうになりました。

警察署内でナンパって、犯罪ですか?

そうですか。

 

受付で用件を言い、地域安全課のある三階まで階段を上がります。

 

今日も居るかな〜??? と、少しの希望をもっていましたが、残念でした。

 

対応してくれたのは地域安全課のおっちゃん警部さん。

 

駐車場へ移動し、車のトランクにぶち込んだネリッシモを見せる。

 

「車体番号は?」

 

と聞かれる。

 

「どっかに刻印してあるはずなんだけどねぇ〜」

 

と、どこか疑いの目を向けられる。

 

そうかぁ、ここ、警察署だもんなぁ…………と感じる。

(領収書もないし、これが盗難車だって否定する材料が何もない)

 

まぁ、カーボン車に『刻印』は無いはずだろうからと思い、BB下のシールを見せる。

一応、車体番号らしき数字とアルファベットが張ってあったので、それで一応は何とかなる。

(ネリッシモが盗まれたときに分かる番号があれば何でも良いのかもしれないと、このとき思う)

 

警「自分で組んだ?ワイヤーとかも?(んなアホな)」

私「ええ、余ってるパーツもあったので(疑われてる?)」

警「タイヤは……古いねぇ……(盗難車ちゃうの?)」

私「タイヤは買ってないので、別の自転車から借りてますぅ(疑われてる)」

警「どこで買ったの?(盗んだんちゃうの?)」

私「ネットで、パーツを取り寄せて(う、疑われてる)」

警「ふーん、高かったでしょう(盗んだんやから、タダだべぇ)」

私「そんなに高くなかったっすよ(やっすいフレームですねん)」

警「重さは? 10キロぐらいあるん?(盗難車やから分かるわけないやろ)」

私「8キロです!(持った感じ、なんかそんくらい)」

警「まあ、ええわ(ちっ)」

 

駐車場でこんなやりとりがあったあと、再び三階の地域安全課へ。

 

免許証を預け、しばらく(10分ほど)待たされる。

 

向かいには、おっちゃん警部と部下とおぼしき若い婦警さんが。

 

「ないですねぇ」

 

と婦警さんが漏らしているのが聞こえる。

どうやらネリッシモの車体番号と盗難車データとを照合しているようだ。

「メーカーは?」

との問いに、

「でだちゃいです。で、だ!」

と返答するも、さらに疑念の目を向けられる。

警「でだちゃい?(んなメーカー知らんぞ、盗難車ちゃうんか)」

私「デダチャイの、ネリッシモというフレームです」

警「ねり……? なにぬねのの、ねか?」

私「なにぬネリッシモです

と、我ながら訳の分からない会話をして終わる。

 

「防犯登録は七年間有効です。盗難された場合は、この書類を届けていただければスムーズに探すことが出来ます。再発行できませんので大切に保管して下さい」

 

若い婦警さんの事務的な言葉を胸に、私は警察署を後にした。

 

時間にしておよそ30分。

かかった費用は600円。

首筋には変な汗がじっとりと髪を濡らしていた。

 

 

でも、ま、これでようやく一通りの組み立てが終了したわけで、やっと公道を走ることが出来る。

それにようやくこのロードバイク、ネリッシモが私の二台目になった実感が出てきた。

思えば、フレームの状態で警察署に持ち込んで防犯登録すればよかったのかもしれない。

 

やはり、ここまできてもロードバイクはお店で買った方がいいという結論は揺らがないのであった。